ゆっくり、じっくり
冷たい清流が育む
びっくりサーモン。

北広島町の北西部に位置する芸北地域。
千メートル級の山々に囲まれた場所で、
芸北サーモンが養殖されている。
サーモンが山の幸というのも〝⁈〟だが、
ふらりと立ち寄れる養殖場っていうのも珍しい。

2024年の夏は猛暑だった。たぶん今後もこんなに暑い夏がやってくるのだろう。気候変動は、農作物の不作など、我々の食卓にも大きな影響が出ている。漁業では、海水温の上昇にともない大量の養殖魚が死んだとニュースにもなっている。こうした状況を迎えることを、20年以上前から予想していたのが代表取締役社長の 片桐義洋氏。北広島町の北西部にある大暮養魚場で、芸北サーモンが誕生した経緯から話を聞いた。

養殖を始めたきっかけは、瀬戸内海で養殖する大型のドナルドソン系ニジマスの親魚、卵、幼魚期の飼育を任せたいという依頼が始まり。1年半かけて育てた雌は瀬戸内海へ運ばれ、「広島レモンサーモン」として、そこでさらに成長する。「実は、雌は海に移送しても育ちますが、雄は移送すると育ちません」と片桐氏。廃棄するのももったいないと感じて、自社で商品化を決意した。しかし、味は良いものの、身の色が鮮やかに出ないことや、なかなか大きく育たないなど、”サーモン”として販売するには多くの課題がありました。試行錯誤を重ねること約5年、やっと納得できるものに育った。濃厚な味わいでプリプリとした弾力、ギトギトした脂の少ないさっぱりとした後口が特長だ。ここ芸北エリアを代表するおいしさと自信をもって、芸北サーモンと名付けた。片桐氏は、おいしさを生み出す秘訣を教えてくれた。それは、天然に限りなく近い自然環境で育てること。自家採卵から、成魚になるまで一貫して管理し、3年かけて1.5キロ以上に育てている。また、大暮川の源流域で育てるため、寄生虫や病気対策のための薬品も使用していない。「寄生虫がいないため、安心して生で食べてもらえます」とのこと。芸北サーモンは、地元だけでなく、広島市内の飲食店や首都圏からも評価が高い。現在小売りされているのは、骨を取り除いたフィレ部分を真空冷凍した「冷凍フィレ」と、香り豊かなチップでじっくり低温燻製した「冷燻サーモン」、缶詰、冷凍ピザの4種類。大暮養魚場をはじめ、北広島町の道の駅舞ロードIC千代田などで購入可能だ。養殖池のある敷地内には、広島県最大級の芸北アマゴとヤマメの釣り堀やバーベキュースペースが広がっている。中でも芸北アマゴの塩焼きは絶品。釣りとともに楽しむことで、訪れる人のオフタイムは特別なものになるだろう。

 匠の技を体験。

たっぷり水分をたくわえるブナの自然林が残る西中国山地国定公園内の臥竜山の8合目に湧き出る「臥竜山の雪霊水」、湯治場として知られる「茅原湯谷の霊水」と、北広島町は広島県内でも「水がいい」地域として広く認識されている。中でも北西部は、スキー場があるほど広島県内でも雪深い場所。阿佐山や天狗石山、冠山などの標高1,000m級の山々から注がれる冷たい水は、とても清らかだ。
その水を使用し、薬品などを使わず、一般的な養殖の2~3倍の時間をかけてゆっくり育てているのが芸北サーモン。健康で安心、何よりも程よい脂身と深い旨みがあることから、卸先の飲食店などから高い評価を受けているのも納得だ。

清流で育まれた、
芸北アマゴの
釣り体験。

大暮養魚場は、養殖だけでなく広島県下最大級の釣り堀も併設している。さっそく片桐氏に教わりながら、釣り竿を借りてチャレンジすることにした。釣り針に魚卵を付けてもらい、準備完了。堀にピヨッと投げ入れる。水面でぷかぷか浮いている “ウキ”が沈んだら魚が掛かった合図。透明な水のおかげで魚が寄ってくる様子もはっきり見える。ウキがビクビクと沈んだので引き上げてみると、なんとビギナーズラックで大物の芸北ヤマメをゲット ! 冷静を装いながらも、内心は大喜びだった。
釣りの後には、ぜひ塩焼きを堪能してほしい。釣れた魚でも、釣れなくても大丈夫。ホロホロとした柔らかい身はジューシーで、丸ごと頭からかぶりつくのがおすすめだ。

 

大暮養魚場

〒731-2204 広島県山県郡北広島町大暮85-3
TEL:0826-38-0734 FAX:0826-33-2315
営業時間:8:30~16:30
定休日:火曜日/木曜日(祝日の場合は営業)

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